こんにちは、nishimaです。前回では「診断面接」は今まであったことと、今困っていることを簡単に教えてもらって、状態から病気や病的な状態を診立てる、と書きましたが、今回はお薬を初めとする治療について…
■お薬はそんなにかんたんには出ません
初診で「診立て」をして、お薬を処方されることもある。これは明らかに取り去らなくてはいけない苦痛(不眠、深刻な不安、幻覚、妄想など)がある場合と、周囲から見た症状がある場合。また精神科によく来るのが、お話を聞いたら明らかに原因もはっきりしていて医療の範囲外で精神科的な治療の必要がなく、また今度、困ったことがあったときに来てくださいということもあります
。
しかし、いくら原因があっても精神に変調をきたすほどのつらいこともあります。これは「適応障害」といわれる精神科が介入する障害です。だから、明らかに原因があったとしても、心の症状がつらかったら精神科を受診して、そのときの担当医に任せてほしい。また、ざっとお話を聞いて、お薬は出さないでしばらく簡単にお話を聞きながら様子 (「経過」といいます)をみていくなど、このような診方は思春期の患者さんとか若い人の「神経症」といわれる状態によく行います。こんな感じでよく実にさまざま。そして、このように経過を見ながら治療は行われます。お薬に関しては様子を見ながら、状態に応じて調整していくので、皆さんは自分の現在の状況をきちんと医師に伝えましょう!
■副作用を聞いておきましょう
必ずお薬の飲み方と、予想される副作用とその現れてくる期間と、どのくらいでお薬が効いてくるかを担当の医師に聞いておきましょう。というのは、精神科のお薬でまったく副作用が出なくて効果だけあるというのは稀だから。副作用が出て自分の判断で薬をやめてしまい、ますます調子が悪くなって医療機関との関係が悪くなる場合が時にはあります。それよりも予測される副作用について知っておいたほうがいいでしょう。副作用を予測し、どのくらいで消えてくるかということも知っていれば、薬や医療機関に対して不信感を持たなくて済むと思います。また、確かに医療機関で説明もなくて処方がなされている場合がたまにあるのは問題だと思います(投薬って、あんまりいい言葉じゃないですね!)。お薬の作用・副作用に関しては医師に聞けるような状況のところがベストなのは言うまでもありません。
それでもほかに精神科がなくて込んだ病院に3時間待ちの3分診療というようなところでは調剤薬局の薬剤師さんに聞くという手もありますが…
■状態像から治療に行くことも…精神科の特徴
また、精神分析やカウンセリングは精神科では最初からは、やりません。なぜかというと、どういう病気か見立てをするところから治療が始まるから。見立てがつかない場合で苦痛が強い場合は状態像(うつ状態など)で治療が始まることもあります。状態像で治療が始まり、診断が後でつくこともあるのが精神科の特徴でもあります。こういったことは先にも述べたように思春期や20代の若い人に多いと思います。それだけ思春期の人の脳みそは柔軟にできているということなのではないでしょうか。だから診断がすぐにつかないことがあり、しばらく精神病の状態への予防としてにお薬を飲んでいただいたり、小精神療法といって短期間、短時間お話を聞いていく場合もあります。 あ、ちなみに外来の精神療法は保険診療の範囲内ではほとんど「小精神療法」だと思います(後で説明しますね)。
■切開は広く浅く〜こころも同じ…
精神科というのは行ったら自分の内面にまで入り込まれると恐れる人がいらっしゃるけど、そんなにしょっちゅう内面に入り込むような治療を頻繁にやっていたら、治療に当たる精神科医は過労死・燃え尽き症候群になってしまいます orz。実際のところ、「切開は浅く」 が医学では何事も基本といえば基本。だから精神に変調をきたして、苦しいと思った場合でも、少量のお薬で収まる場合のほうが自分が見てきた限りじゃ多いし、初診で初診医相手に自分の今のおかれている状況を説明しただけで心がすっきりする場合もあるので、我慢せず、恐れずに精神科を受診してください。
といっても、お薬でおかしくならないか、中毒にならないか、など心配はたくさんありますね!今後はお薬の話や精神療法のお話をしていきたいと思います。
それではまた!
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こんにちは、nishimaです。これから2回にわたって精神科の初診のとき、どんなことが行われるかを書いていきます!
■精神科=カウンセリングは真っ赤な誤解
TVドラマとか漫画とかを見ているといきなりロールシャッハ(!初診でこれはありえない、病気の状態を見ながら慎重に施行する)とか、いきなり自由連想(精神分析の手法の一つ)とかいきなり催眠とか、いきなりカウンセリング、とか、おいおいおい!と、ごく普通に精神科の医者をやっているものとしては笑ってしまうんだけど、まったく知らない人にとっては笑うどころか、興味を持ったり、逆に恐怖感を持ったりすることもあるようですね。このあたり、世間様からわれわれは著しく誤解をされているのでしょう。まず、精神分析やロールシャッハなど深く心理に入り込むもの、カウンセリングなども同様だけどいったんその患者さんに行うのが妥当なのか、専門医がきちんと検討してから行うことになっています。
その前に「初診の面接」というものがあります。またの名を「診断面接」ともいいます。なーんだ、精神科医のサイトだと思ってみたのにつまんねぇ?そう思うならそれでも結構。今日は、意外と誤解され、場合によっては恐がられている「精神科の初診」について現状に忠実に即したお話をしていくことにします!
■診断面接
まったくの初診の場合は大体診断面接といって30分〜1時間くらいかかるでしょうか。家族構成のこと、学校の成績のこと、今までかかった病気のこと、今までついた仕事のこと、今困っていることと、事細かに聞かれる。これらを家族歴(家族構成、家族がかかったことのある病気、遺伝)既往歴(今までかかった病気)、生活史(生まれて今までどんな育ち方をしてどういう生活を送ってきたか)、現病歴(おかしいなと気づいてから今までの困ったこと)といいます。時には聞いているはなから、「そんなことどうでもいいじゃないか、プライバシーの侵害じゃないか!」と怒り出す方もいらっしゃる。でも、これらの情報は必要なことなので、そのつど説明してお話をしてもらっています。精神科医は人権や個人情報の管理には充分に注意を払うような訓練を受けていますのでご心配なさらないでいただきたいのです。また、答えたくない事を強要するようなこともありません。また、継続してかかるというのであれば、具合が悪い場合、細かいことは後回しにして聞くこともあります。(緊急の場合はこっちのほうが多いかもしれない)どんなに具合が悪くても、せめていつからどうなったかということだけは必要な情報です。ご本人の具合が悪すぎてお話ができないような場合はご家族からお話を伺って、落ち着いたときにご本人から改めてお話を伺う場合もあります。
また、医師が直接診断面接(診立てをする診察)に必要なお話を聞いて、初診すなわち診断面接に入る場合と、心理士が聞いてまとめ、それをもとに医師(多くはクリニック院長)が初診をする場合と二通りあります。大学病院、総合病院精神科、精神科病院は前者、クリニックは後者の場合が多いでしょう。そして医師が最初にお話を伺った場合、その医師が「主治医」として担当していく場合が多いと思います。精神科の場合は続けて同じ医師が見ていく場合のほうが圧倒的に多いでしょう。そこでうまくいくかがまた問題となってくると思いますが、このことについては後の稿でまとめてお話をします。
診断面接が終わったら、診断が決まり、お薬が処方されたり、治療方針が決まるわけですが、次回はそのお薬など治療についてお話していこうと思います。
2005.12月18日 メルマガ「こころの治療は怖くないっ☆」
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