うちにはLafaroという名の猫が居る。11歳のオスでぼよんぼよんに太っている。名前が奇抜なせいで家人は彼の正式な名前を発声することが出来ず、いつの間にか彼の呼び名は「ラー」ということになった。
グレーのトラ猫で、迷い猫だった。一つ離れた町会の、理学部の先生のお宅のトラ猫が6匹のこどもを産んだ。彼と彼の同胞である。1歳になったある日、喧嘩に負けてうちの前まで逃げてきた。3日間うちの前で啼いていた。猫の活動半径は200mだが、そのお宅とうちの距離は300mはあったと思う。体中膿とかさぶたで、耳垢のこびりついた猫をとても飼い猫だとは思えず、そのまま拾って育てることにした。これが私達一家とlafaroの生活の始まりである。
ジャズ研でベースを弾いている友人が自分の飼い猫に「Gomez」と言う名前をつけていた。Bill Evans Trioの最盛期を築いたベーシスト、Eddie Gomezにちなんでつけた名前である。私はその名前がうらやましかった。悪い虫が耳元でささやいた。「Bill Evans Trioの初代の天才ベーシストの名前にしたらいい」猫の名前なんか、そう凝ったり、ましてや姓名判断までしてつける人はなかなかいない、大体そのとき最も好きなものをつけるのだと思う。ところで天才ベーシストScot Lafaroは25歳で自動車事故で亡くなっている。交通事故、猫的には非常に縁起が悪い。普通は非業の死を遂げた人の名前は付けないものなのに、猫の毛色とLafaroという名前がどことなく似あっていて、以来彼はLafaroと呼ばれることになった。
Lafaroは交通事故に遭う事もなく、11歳の今でも元気である。ところで、当時はJAZZに熱中していたからLafaroとつけたけど、今熱中しているものは、実はこの11歳の爺さん猫だ。だから今までblogに全てlafaro1999というアカウントを付けてきた。昨日、最後のlafaro1999とお別れをした。閉鎖したFC2ブログである。あのブログは1年間毎日何かを書こうと悩んできたことの記録としては面白いかもしれないけど内容があまりにもパーソナルで、まずいと思うようになってきた。だから閉鎖した。ついでにlafaroが死んだときに余計寂しくなるから、lafaro1999のアカウントともお別れして、引越し先のこのはてなダイアリーのアカウントには、自分のハンドルネーム(略称)を使った。
11年前、猫にLafaroという名をつけた私は若かった。つくづく熱中するにも、生き物と暮らすにも、大きなエネルギーが必要だ。
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